シャツを買いに銀座にGO！

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シャツを買いに銀座にGO！

13:23

雨の銀座

聞こえるのはワイパーの音だけ

新しくなった歌舞伎座

ディオール
アルマーニ
エルメスが並ぶ

あたしが一番行きたいのは千疋屋

もっと行きたいのは

小さい時のフルーツパーラー

ANNEのコットンパール

いちよう試着したけど

もうママ付き合いはないしね

細い共布のベルトもね

たぶん３回着たらきっと底が見えてしまう

底ってつまり、この服のコンセプトね

恋人みたいだけど＾＾

白いシャツ

ユニクロ以外で買うの、何年ぶりだ？

あ

無印で先月買った

このカットーソは店員さんが着てて可愛かったからげっとん

ティと銀座は８回目くらいかな

大昔

母が亡くなる一ヶ月前

母を連れて銀座口で高速を降り

１０年世話になった大学病院に行った

前日にあたしは６輪の居心地のいい車椅子を買った

その車椅子を見て生後１０ヶ月のティが飛び上がって吠えた

バッグには母が倒れたとき注射やブドウ糖

大きなタオルやおむつや簡易トイレ

全部積み込んでた

その頃あたしはまだパニック障害とかと無縁だったので

高速で自分が倒れることなんか頭になかった

「このカーブでこの曲を聞いたな」

この思いが

今は後部座席に座る母がいるからいい

もしいなくなったら

あたしはどんな思いでこのカーブを切るのだろう

この時

あたしが一人で病院に行くと言ったとき

一人の友人が

本当に考えたあげくという感じで

一緒に行こうか？

と言ってくれた

彼女を隣に乗せ

３人とティで走る高速があたしの頭に過った

言ってみただけ、の彼女ではないのがよくわかっていたので

気持ちだけ、
ありがとう

そう答えたが、

今もそのときのことを思うと泣きたくなる

気持ちだけでもういいのだ

これは本当なのだ

彼女の愛犬が１９歳の生涯を閉じた時

ティは彼女の足元でじっとして

時折ペロっと舐めた

犬には犬を失った人の悲しみがわかる

そう言ったのも彼女だった

母を亡くして３ヶ月後

あたしはそのカーブに差し掛かる

その時

目が見えなくなって呼吸ができなくなった

初めてのパニック発作だった

あの時一緒だったティがいる

その喜び

そりゃあ１１歳

若い時みたいにはいかない

（お互いだが）

けど

マルセリーノパンとぶどう酒で

神様にマルセリーノが聞く
お母さんってどんな感じ？

神様は答える

与えるのだ
与えて

そしてお母さんは老いて行く

けど

どんなにしわしわになっても

お母さんは決して醜くなることはないんだよ

いつも老犬と呼ばれる子を見て思い出す言葉