
あたしたちは

どうしてここにきたんだろう

紅葉と富士山と
湖と

おべんともってピクニックがしたかった

かぼちゃのスープや

フルーツいっぱいのサングリア

ピクニックバスケットに食器

誰かのためとかじゃなく
ただ自己満足に友人を巻き込んだだけ

あたしには夢がある

煙突のある家に住むこと
クリスマスツリーの根元を
愛犬がぐるぐる走り回ること
自宅の花だけでブーケを作ること

一緒に火傷しあえる友人を持つこと

どこからきて
なにをして
よく知らなくても
一緒に緑の中で

暗くなるまで
誰かに呼びに来られるまで

思いっきり楽しいときを過ごすこと

めいびが言った

いろいろなこと
後から気付くと

二人は待ち合わせ時間に遅れてきた
理由は
電車内で発作を起こしたおじいさんの介抱をしていたそうだ

みんな
知らんぷりしちゃうの
おじいさん
深々と頭を下げてくれた
とめいび

たぶん
大切な面接時間が迫っていても
この子は同じことをするだろう

あたしなら面接会場に走る
そしてこんなおっかないおばちゃんが待ってるときたら
おじいさんの介抱もしないだろう
だから

あたしはめいびに
上手な生き方なんて教えられない

22年前
荼毘に付された父の遺骨が骨壺に収められるとき
父の友人がそっと私に
「あとで灰をいただきたい」
と言いに来た

父とよく来た富士山の見える湖に
灰を撒きたいのだと

小さなムーのこゆびとと一緒に来た
遠くで父の友人の乗ったボートが止まる
立ち上がり
こちらを見て一礼する
私はムーのこゆびとを抱き上げて見せる
父の友人が戻って言った
きらきらと
吸い込まれていくようで
綺麗でした
と

帰宅してからめいびにその話をした
「もっと早くしっていれば・・・」と言われたが
知ってどうするんだ?

それよりあたしはこの階段の
水面に一番いとこで苔で滑って湖に吸い込まれると思ったよ!^^

めいびの友人がi phoneで撮った画像
父が吸い込まれたのは
たくさんの湖のどこか
忘れた
どっかだ
富士山が見えるどっかだ
それが一番いい

ティはペットショップで出逢った
生体市場で
「この子!!!」
と頑張って競り落としてくれた若いYさんが
ティを大切にショップで育ててくれたいた

私たちがティを連れて帰るとき
Yさんは心なしかさみしそうに見えた
どれだけ可愛がられたか?
Yさんに感謝した
11年半後
ティが神様に呼ばれて
あたしは数年ぶりに彼女にメールを出した
出逢わせてくださって感謝します
と

ティちゃんはちわばらさんのところに行って幸せだったと思います
私が言うのもおかどちがいですが
愛してくださってありがとうございます
と返信くれた
胸が詰まって苦しかった

もう13年くらい前
Yさんは
水頭症のチワワを飼っていた
もう助からないと獣医さんも見放したころ
たった一日の一瞬だけ
すごく元気に彼女の手で戯れて遊んだ日があったと
すごく嬉しかったと言っていた
その時ピンクのぬいぐるみと写ったティの写真をくれた
まだ生後半年のティを連れての車中
彼女は小さなアルバムを見せてくれた
中に
「ちったんのお墓」
と書いてある花壇があった
「その子ね
ここに眠ってるんだ
お父さんが作ってくれたの」
彼女の鼻声と素直な横顔を見ながら
ティが召された時には
彼女がそうしたように
私も庭の花壇に眠らせようと誓った

あたしたちは旅の途中で逢ったんだ

(写真は
最近ここで生まれた子)
ピクニックの帰り道
ティが生まれた場所を通った
9年前
ナナを迎えに来たところ
サロンと自家繁殖してるショップ
めいびはアーを抱いて来た
「わたしのすべてでした
出逢えたこと感謝します」
とブリーダーさんに頭をさげたときにはめいびも私も泣いていた

それから
海辺のレストランに行った

何度も来た場所


絶対に離さないと

守ると誓ったはずだった

めいびが綺麗なスカーフを貸してくれた



電池で
海辺でクリスマス

同じ音同じ海
でも
同じ波は二度とない

今日のこの一瞬は二度とない

一期一会

もう二度と会えないと
だからこそ永遠なのだと。
自分が救った人は誰なのか?
今どうしてるのか?
そんなこと知る必要もないのだと。
あたしがこの子たちに教わったこと
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