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こんないつもの朝だったわけで

マーは
モッツァレラチーズみたいになってて

なんかテレビとかついてて

けどピョンがいつもじゃなくて

この時間帯だったけど
あたしはイケメンなアナオ君のままにメッセージを入れた

今日これからあなこ
発作起こしそうな気がするんだ

どうしてわかるんですか?
医療関係者のままらしい質問であたしも冷静に

やたら近くに行きたがるピョンに
あなこがすごく怒ってるから

そう答えたけど
まさか

この時までは
まさか

けどあたしはこんな画像を何枚も撮ってる
ということは
薄々わかっていたんじゃないだろうか

12時50分
フォンダンショコラの作り方でS子ちゃんから電話
少し話したころ
バンビの体がビョーンと飛んで仰向けになって暴れ出した
きっといつもの発作だと
あたしは電話を切らずにスピーカーフォンにしてバンビを抱き上げる
おかしい
発作の治り方がおかしい
舌がみるみるうちに紫になり白くなり
首は全く力が入っていない
人形のようだ
マーの吠え声が響く
バンビは目を見開いている
見開いているけど意識はない
瞬き一つしない
心臓辺りを摩る
ようやく1キロになろうとするバンビの身体は
この時ものすごく軽くなっていた
身体をさすりながら
鼻と口に息を吹き込む
何をしても反応がない
ブドウ糖をシリンジで
片手でぐったりと首を落とすバンビを抱き
片手でステロイドを一錠
自分の口で噛み砕き
まず四分の一をバンビの口の中に
意識のないバンビの口はだらんと開いたままになっている
そこに
器官に入るのを恐れてすこーしづつ、
舌を濡らすようにブドウ糖を下に乗せる
動かぬ石に話しかけるように
バンビの名を呼ぶが
それより
マーの声が激しかった
一瞬よぎる
もう
だめか
これでお別れか
今日はいつだ?
23年前の今日
父が荼毘に付された日だ
なんで今日なんだ?
バンビ
バンビ

身体を摩る
バンビの目を見る
ブドウ糖
神経は一点に集中
そのとき、不思議なことにあたしに底力が湧いた
バンビに任せようと
そう決めた
なぜならバンビは
バンビの目は
あたしに行って来ますを言ってないんだ
【もうだめなのか?!】
あたしの無言の問いにバンビの心はクビを振った
そうか
お前はまだあたしのそばにいてくれるんだな?
じゃああたしはそれを待つ
お前が戻る手助けだけする
あたしがする
誰にも任せない

この写真はそれから30分後
大分落ち着いてからの写真で
45分
あたしたちは互いの魂と意思の確認をし合った

ステロイドをあと4分の1
合計半錠
頓服に使うよう指示されていた
それを口に含ませたとき
わずかに
わずかにバンビが拒否する姿勢を見せた
【もどった、、、、??】
そして小鳩が掌の中で羽根を広げるように
あたしのお腹を蹴るあなこの脚力を感じた

本当にギリギリだった
この時は体の硬直、つっぱりが取れ切れていなかった
けど
舌の色はステロイドのせいもあったろう
暖めていたせいも
けどなによりバンビの意思で
舌の色は健康な赤に戻っていた
どんなにいくな!!
と言っても
止められない行って来ます
バンビのあの45分を見て
誰がまた元気に戻ることを想像できるだろうか?
あたしはその直前まで
イケメンなあなおママとメッセージでやりとりしていた
「いま
いま
この状態を彼女に知ってもらって、
それで
またこうして復活したんだ、と
それを伝えたらどんだけ心強いだろうか?
諦めるな
救おうとして変な力を入れるな
いつもの二人を信じろと」
そして
「だからバンビ
だから頼むよ
戻って来い戻って来い
あのママに自慢しよう?!な?!!」

バンビが落ち着いてから
彼女に
こんな状況だった、と連絡した

気圧はもう大丈夫だから!
と返信が来た
あたしは泣いた
そして彼女が続けた
バンビちゃんはあなこ族の希望の星です
と

さらに一時間後
ゆっくりゆっくりご飯を食べるあなこ

今度生まれ変わっても
病も発作も顔も身体も性格もぜんぶ
全部いまのままのバンビと出逢いたい
何か悪さするものがないバンビはバンビじゃない
今のバンビが辛いとか
他の子と違ってかわいそうとか
あたしは一切考えない
辛いとしたらあたし、自分でしょ?
母の介護が始まる時に読んだ本の一節に
もう痴呆が進んでしまった人は
悲しいけど
それから長く生きることはできないのです
優しい語り口調ではあったがそれだけに
胸に刺さった
この介護が終わる時は母と別れる時だと
でもあたしはバンビを介護しているつもりはない
果たして母の痴呆もまるで性格の延長のようだったし
バンビも然り、
どう付き合って行くか?
だと思ってる
部屋の各所に置いておくのをオススメ
あなこのフードはこれ
みんなのご飯はこれ
生肉を50パーセント以上練りこんであります
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